社内ブログの運用法わかってる?社内ブログ導入に際して、よくある失敗と成功させるための具体的な対策
社内ブログは、社内コミュニケーションのツールの1つとして、様々な企業で使われています。
社内ブログを使うことで、いつもは直接会うことがないような社員同士でも、互いの声を拾えたり、新しいアイデアを共有したりすることが可能です。そして、密に社内でコミュニケーションが取れるので、風通しのいい職場環境をはぐくむことにつながります。
ですが、使い方を間違えたら、効果的な運用ができないだけでなく、かえって社員同士のモチベーション低下につながる場合も。そこで、ここでは、社内ブログを導入する企業の主な運用目的を確認し、その上で、社内ブログ運用の成功を阻む要素を見ていき、具体的にどのような対策をすることで成功に導けるのかを解説します。
ここでは、具体的に社内ブログを運用する利点について見ていきましょう。
社内ブログは気軽に見られる伝達手段の1つなので、社内コミュニケーションの活性化に役立ちます。社内の従業員同士、常にコミュニケーションがきちんととれていることは理想ではありますが、実際はなかなか難しいというのが現状でしょう。
もちろん、朝の朝礼など、社内でコミュニケーションをとる工夫をしているところは多いとは思います。それでも、個々の従業員がどんな考えの元で行動をしているのか、今どんな問題にぶつかっているのかなど、わざわざ言葉にするほどでもないようなことまで理解することはできないでしょう。
そんな時に社内ブログがあれば、ちょっとした話の種として書くこともできるでしょうし、ブログを見た方も、発信者の胸の内を垣間見ることができて、ゆるやかにコミュニケーションを活性化させることが可能です。
社内ブログは、会社の方針や理念を浸透させるのにも最適です。会社の方針や理念はおおよそ知っている従業員がほとんどでしょうけれど、概念的なことだけに、日ごろの業務の中ではついないがしろにしてしまいがちです。
ですが、会社の方針や理念は、会社の基本方針としてとても大事な礎。そういう意味では、常に社員に意識してほしいことのひとつでもあります。ですが、会社の方針や理念の浸透度合いは従業員によってもまちまち。朝礼のたびに何度も何度も繰り返せば、人によっては、しつこいと感じてしまうこともあるでしょう。
そこで、便利なのが社内ブログです。ブログという形で、折に触れて会社の方針や理念を説くようにすればどうでしょう?文字によるブログだからこそ、音声を聞くよりもより具体的に内容が頭に入っていきます。都合のいい時間に気軽に読むことができるのも社内ブログの利点ですね。
日々の業務の中では、取るに足らないような出来事やちょっとした気になる現象などが細々とあるものです。ですが、案外そういうことを話す場はないもので、結果的に、個人の心にしまっていることは多いかもしれません。
案外、そういうものの中に、大きなミスの原因になるものがあったり、みんなが共通して気になっていることがあったり、または、大きなアイデアにつながったりするものがあったりということも。
そんな時に有効なのが社内ブログです。毎日何かを書くということがあれば、そういった取るに足らないような出来事も記録しやすいはずです。社内ブログは、そういった話すほどでもないような情報の共有化にはぴったりです。
会社は組織で行動しているとはいうものの、日々の業務に関して、意外と個々で活動していると感じる人も多いのではないでしょうか?
特に、リモートワークが増えてきた昨今、より一人の傾向が強まり、時に孤独を覚えてしまう人も。そんな時に、他の人はどんなことを考えているのか、どんなことを工夫しているのかなど、社内ブログで垣間見ることができれば、個人のモチベーション向上にも役立ちます。
同僚が成果を上げていれば、「負けてられないな」と思うのは当たり前のこと。そういうモチベーション向上のツールとして、社内ブログは意外と重要な役割を果たします。
個人ブログや個人YouTuberなど、毎日同じものをチェックしていると、たまに、配信が遅れたり、なかったりすると、「どうしたんだろう?」と心配になってしまうことがあります。このように、毎日チェックしていると、赤の他人でもまるで知り合いのように感じてしまうことがあります。
同じように、社内ブログで日々社内の様子が配信されていれば、自然と会社や仲間のことが気になってくるものです。時には、仲間の知らなかった一面が垣間見られたり、遠い存在だった上司や先輩が身近に感じられたり。
社内ブログを日々見ているうちに、自然と帰属意識が向上し、自分がその会社の一員であり、チームとして仲間を意識するようになってきます。
社内ブログは顧客満足度の向上にも貢献します。新しいイベントを行ったとしても、社内での連携がうまくいっていなければ、ぎこちなさは否めません。そうなれば、いくら取り繕っても顧客からは見透かされてしまい、かえって顧客満足度が低下する結果となることも。
ですが、社内ブログで顧客情報や様々な事例などが逐一共有されるようになれば、より顧客のニーズをくみ取ることができ、顧客に寄り添った接客が可能となるでしょう。また、社内同士の連携がうまく行っている会社は、顧客への対応もスムーズです。結果的に顧客満足度の向上にも貢献する結果となるでしょう。
社内ブログは社内コミュニケーションを円滑にする上でメリットが大きいことがわかりましたが、導入の仕方を間違えると逆効果になることも。それは、果たしてどんなことでしょう?ここでは、具体的に社内ブログの成功を阻む様々な要素を見ていきます。
社内ブログと言っても、その活用度合いや活用の仕方は会社によって千差万別。導入目的がはっきりしなければ、突然、社内ブログを突きつけられても、何を書いたらいいのか、どこまで個人的なことを書いていいのかわからず、誰も自ら発信しようとは思わないでしょう。
そうなれば、形式的にほんの1行ぐらい書いて終わりにしたり、当たり障りのない話題で無難にまとめたりということにもなり、なかなか社員同士のコミュニケーションツールとして活性化しないということも。そうならないためにも、導入目的をしっかりと定めて、みんなで育てていく意識が必要になります。
社内ブログのルールをきちんと決めておかず、きっと誰かが更新するだろうと他力本願で運営すれば、結果的に誰も更新せず、何か月も更新がないまま放置されることにもなりかねません。
自分の趣味や好きなことを発信する個人ブログでさえも、モチベーションを保って続けていくのは至難の業なので、社内ブログとなればなおさらです。きちんとした運営ルールを決めて、社員が積極的に投稿する流れができるまでは、強制的にでも書くように仕向けることが重要です。
社員自らが積極的に発信したり読んだりして、初めて社内ブログは成功します。ですが、社員に面倒くさがられてしまえば、なかなか積極的なやりとりは期待できないでしょう。
そうでなくても、書くのが苦手という人は社員の中に一定数いるはず。そんな社員にとっては、発信の敷居は格段に高く感じてしまうかも。どんなことでも習慣化するまでは一苦労です。社員のストレスを軽減しつつ、発信したくなるような雰囲気作りも必要になってくるでしょう。
社内ブログ自体、なんでも書ける場であるものの、なんでもありということになれば、当然ブログ内は荒れます。世の中には色んな考え方の人がいるので、自由に書いていいことになれば、前向きな発言ばかりでなく、後ろ向きな発言も出てきて、読めば読むほど気持ちが落ち込むという事態になることも。
また、人の気持ちを逆なでするような投稿やセクハラ発言、誹謗中傷などが出てくることがあればもう致命的です。社内ブログは不特定多数が見る個人ブログよりも人間関係が近い分、攻撃力が強く、槍玉にあげられた人は人間不信に陥ってしまうでしょう。そうなれば、社内ブログがマイナスに働いてしまうことも。社内ブログがいじめの温床になるようでは問題です。
ブログツールによっては保守の必要性や構築のコストがかかることもあります。そうなれば、それを管理する人たちが必要になってくることも。実務以外のところに余計に金銭的なコスト、時間的なコストがかかるなら、導入そのものに反対する意見も出てくるでしょう。
導入反対勢力が多ければ多いほど、導入自体が難しくなります。また、社内ブログの効果よりも、メンテナンスや構築のコストがかかるようだったら、何のために社内ブログを導入したのかわからなくなり、なかなか社員の理解を得られないでしょう。
それでは、どうすれば社内ブログを成功させることができるでしょう?
ここでは、具体的に成功させるための対策を考えてみましょう。
社内ブログを成功させるためには、定期的な更新が必要不可欠です。
そのためにも、更新担当者は毎回決めておいた方がいいでしょう。週数回、月数回と決まったルールで定期的に更新することで、配信する方も常にネタ集めをするようになるし、閲覧する方も定期的に確認する習慣が付くようになります。また、更新担当者を当番制にしておけば、満遍なくいろんな人が配信するということにつながり、偏りのない社内ブログになりやすいということも。誰もが何度かの更新作業をすることで、操作方法がわからないという問題も、早期に解決がつきます。
社内ブログをする際に、運用ルールをあらかじめ決めておくのも、社内ブログが荒らされないための大事な方法です。例えば、社内の個人的な出来事を書くにしても、どんな内容まではいいとするか具体的に取り決めておくことで、後々でトラブルに発展することを避けることができます。
また、具体的な書き方や表記の方法、タイトルの付け方、日付の表記なども統一しておくと、全体としてすっきりとした見やすい印象になるため、読むほうも読みやすくなったり、検索しやすくなったりして、あとで管理人が全体を編集するなどの労力を減らすことにもつながります。そういうちょっとした手間を省くことで、継続しやすく、運営しやすい社内ブログになっていきます。
社内ブログでは、原則何を書いてもいいのですが、目的をはっきりとさせないと、やはり何のために運営しているのか意味がないものになってしまいます。
例えば、家族やペットなど、あまりに個人的なことを書いてしまえば、それはもう社内ブログではなく、個人ブログの領域となり、会社がコストをかけて社内ブログを運営する意味はなくなってしまいます。そのためにも、社内ブログの目的をはっきりとさせ、時間やコストをかけてもそれ以上に意味のあるブログにしていく必要があります。
また、ポジティブな感情は、読む人に勇気を与えるものですが、ネガティブな感情は、読む人の気持ちもどんよりとさせてしまいます。社内ブログで士気が下がるような内容になってしまえば、ブログの導入は逆効果です。そうならないように、社員全体で社内ブログを発信する目的を考えていきましょう。
社内ブログの書き込みは原則実名を使い、書き込み内容は書き込んだ人に責任を持たせるのがいいでしょう。というのも、個人ブログと違って、社内ブログを見る人の構成員は不特定多数ではないため、実名を使っても安全だからです。
実名でブログの書き込みをすることで、個々の社員が投稿内容に対して慎重になるでしょう。結果、社内ブログの荒れるのを防ぐことにもつながります。また、実際に、何か問題を抱えている社員がいたとしても、それが誰なのかがすぐわかることとなり、様々な角度から助言を与えられるきっかけにもなります。
より深くコミュニケーションをとる側面からも、実名での使用が効果的であり、誰がどういう投稿をしているのかが一目でわかるようにする必要があります。
他者や他企業の誹謗中傷を書かないようにルールを決めることは大事なことで、そうすることでモラルのないブログになるのをある程度防ぐことができます。誹謗中傷は相手を傷つけるだけでなく、社会的にも大きな問題に発展することにつながります。いじめの温床にもなりやすいので、誹謗中傷の記事をほっておくべきではないでしょう。
また、悪意に満ちた投稿はネガティブな感情しか生みません。はじめから誹謗中傷記事を書かないようにルールづけておくことで、社内ブログの中で感情が対立することの抑止力にもなります。
社内ブログはいくら社内の人しか見ないとしても、個人情報や守秘義務に関わる内容を載せるべきではありません。というのも、社内ブログとはいえ、どんなきっかけで、投稿したものが外部の人の目に留まってしまうかわからないからです。そうでなくても、流れていく会話に比べて残る文章はインパクトがあるもの。
文章として残してしまえば、人々の記憶に刻まれて、消せないデジタルタトゥーにもなりかねません。そんな中で、個人情報や守秘義務が安易に社内ブログに載せられていれば、会社のモラルが問われてしまうでしょう。そのためにも、あらかじめ、個人情報や守秘義務については書かせない工夫をしておくことが重要です。
社内ブログが活況になれば、書き込みのない社員のフォローを積極的に行うといいでしょう。書き込みのない社員は例えば文才がないなどそれなりに理由があるはず。文が稚拙で恥ずかしくて投稿できないという人も少なくないでしょう。
ですが、社内ブログはあくまでコミュニケーションツールの1つです。文の良し悪しはこの際関係がありません。LINEなど、文才がないから投稿できないという人がいないように、社内ブログも同じです。気負うことなく始められるよう投稿を促してみましょう。
社内ブログは社員同士の情報の共有はもちろんのこと、雇用主と社員をつなぐツールにもなります。個々で積極的に様々な情報を発信することで、社内全体が風通しのいい、良好な人間関係を作れるように整えていきましょう。